いのちの母国 それは個人のふるさとでもなく、帰属する国家
でもなく、分立する宗教界でも対立する民族や文化文明でもなく、
それらをかいくぐりつつ、いのちの星に生まれたいのちたちの
共存への、幻なのです。
日々、生まれたままの裸のいのちへとくりかえし帰ること。
自分とは他者と出会ういのちへの裸道。
森崎和江 「いのちの母国探し」より